とりあえずはこのどうしようもない主人公はなんなんだと思いました
実家が裕福で顔が良く勉学もできるのに大した努力もせず狂っていくのはただのどうしようもない人間なのでは
作中に夏目漱石への言及があるのでたぶん主人公も『こころ』は読んでたはずですが、「精神的に向上心のないものはばかだ」という言葉をどう思ったのでしょうか
(頭が良いのでそれなりの返事を持ち合わせていたのかもしれませんが)
ただ、自分に当てはまると思わざるを得ない部分もあって世知辛いものです
恥の多い生涯を送ってきた気もするし、結局何もすることもなしうることもしていないでここまてきています
一応、社会生活を送っているフリができている(と思っている)のは、実家(と自身)にお金がなく、容姿が良くなく、頭も良くないので、頑張らないと生きていけないという消極的な理由なだけなのだと思います
良くも悪くも生きているので、なにもないことも悪いことだけではないのかもしれませんが…
物語の最後の大庭でさえ、27歳という今の時代ではまだまだ若い年というのも少し驚きです